◆◇概要◇◆
2018.10.2~2019.1.19のバックパッカー旅行中、日記をほぼ毎日つけていました。
それを加筆修正し、晒して供養しようというものです。
ウィーン旧市街を散策。
改めて見るとけっこう盛りだくさんなスケジュールをこなしている。
とても楽しそうな当時の私。いろいろ吹っ切れて満喫してんな。
そして1日の締めくくりに、記念すべき初ナンパを喰らう。しかも長尺。もはやネタである。ヤベー奴だと思ったらさっさと逃げよう!!!!!!!!!!
10/6(土)
5時半に目が覚めた。規則正しすぎない!?6時にお母さんと電話。お父さんとラーメン博行ったけど、そこでラーメン食べずに別のお店で食べたって。なんだそりゃ。
ご飯食べて用意して、8時前に出発。乗り物24時間パス8€を買う。
まずはシュテファン寺院へ。8:30頃着。中に入ると、ちょうどミサやってた。
とても厳かな雰囲気。後方では観光客数名が静かに見学している。私も混ざる。大きなシャッター音を鳴らしてしまった人が、ミサに参加していたおばさまに睨まれていた。
ミサの終盤、神父様が信者の人々に何か白くて小さいおせんべいみたいなのを食べさせてた。何だあれ。
※後で調べたら、「聖体」というものらしいです。詳しくは各々ググってください。
ミサ後、見学と写真を撮りにうろうろ。
天に吸い込まれそうな高さのあるバロック様式。ステンドグラスも美しい。そしてここにも公衆電話みたいなオーディオガイドが。日本語対応。2€で画面付き。曰く、シュテファン寺院には2つの塔があり、高い方の塔が南塔、外から入れるらしい。知らんかった。この後登るつもりだった南塔、どこから入るのかなぁなんて思ってたところだった。聴いて良かったー。低い方の北塔は途中で作るのやめちゃって、上にドーム被せたらしい。プンメリンという鐘がある。
南塔へ。外の入り口に着くと、9時からオープンとある。時計を見ると8:55。入り口周辺で待つ事にする。待ってるうちに受付の人が入っていき、準備をし始める。私の他に待っている人が2・3人いた。
9時、オープンと同時に入場。5€。
石の螺旋階段を登り始める。登って数分、こりゃキツイ。久し振りに息切れした。こんなに足の筋肉が張り裂けそうになったのも何年振りってくらい。
一時停止を挟みつつ、負けるかという気持ちでガシガシ登った。
そして10分弱で展望台に到着。多分今日の一番乗り。
展望台は小さな円形の部屋のようになってて、窓が4つ。売店もあって、店員のお兄さんが挨拶してくれた。お兄さんが一番乗りだわ。
そして眺め。しんどい階段を登った後の眺めは最高。高いところ好き〜〜〜。
私以外にまだお客さんがいないので、遠慮せずバッシャバシャ写真撮影。次の人が来る前に、全方向からの撮影完了。ちらほらお客さんが増え始めたため、遠慮しながらぼーっと外を眺めたり、写真撮ったり。ベンチ座ったり。また眺めたり。
街の中心であるこのシュテファン寺院からは、ウィーンの名だたる名所が見られた。ウィーンの街では、世界遺産レベルの歴史ある建造物と、都会的な最新の建物が共存しているように感じた。素敵。眺めていて見飽きない。
結局30分ほど居座ってから退散。高いところから下界に下りるのってなんて名残惜しいんだろう。
そして下りるのもキツイ。登りとはまた違ったキツさ。足が疲れるってことはないんだけど、ひたすら螺旋階段を下ってとにかく目が回る。気持ち悪くなった。階段酔いは人生初の体験。
シュテファン寺院の外観を撮影しにぐるっと周りを一周。
正面に戻ると、王子様がいっぱいうろうろしてた。
なんの団体?と思ってじっと見てたら、1人の王子様が近づいてきた。コンサートの客引きだった。
今回の旅で、コンサートやオペラを見る計画は全くなかった。音楽の都に来ておいて何だけど。分からんし。考えとくって言って逃げた。ウィーンに来て客引きにあったの初めて。
そしてペーター教会へ。外見のシンプルさからは思いもよらない、内装のバロックぶり。すごい。ゴテゴテ。劇的。ドラマチック過ぎる。そしてやはり厳か。天蓋のフレスコ画がより一層神聖さを引き出している。
中列座席の端っこに座ると、前方に人が集まり何やら行われているのに気づいた。人々の真ん中には、神父様と、赤ちゃんを抱っこした女性。もしかして洗礼式ってやつ?しばし見学。
すると突然傍にあるパイプオルガンが鳴り響き、神父さんを中心にみんなが歌い出す。びっくりした。なんか始まった!!って思った。それと同時に、ミュージカルや映画のワンシーンを見ているようだとも思った。音楽が生活に、そして宗教に溶け込んでいる。歌を聴きながら、鳥肌が立った。異文化を全身に浴びて心動かされた。
洗礼式が終わったのか、式に参加していた人々が出て行く。最後に、神父様と赤ちゃんとお母さんが退出した。赤ちゃんは、真っ白いふわふわなドレスを着ていた。
教会内を歩いてじっくり見学。
近くで見るとさらに豪華。双頭の鷲のマークも。
後方の黒いパイプオルガンが見事。
またもや座ってぼーっと装飾を眺めていると、教会のおじさんがせかせかと動き出し、通路を塞ぐ観光客を後方に行かせている。なんだ?私は追い出されないのか?このまま座ってていいのか?完全に何か始まる雰囲気だぞ?でも他の観光客っぽい人の中には、私と同様座ったままの人もいる。取り敢えずそのまま様子見。
するとやがて、神父様が前方に登場。神父様の一声で、周りに座っていた方々が一斉に立ち上がる。そこでやっと「あ、これミサじゃん!!」と気づく。我ながら遅い。急いで退散。一番後列の座席でよかった。
入り口付近でしばしミサを見学。皆さん真剣。途中から入っていく信者の方も。片膝をついて入っていく。お辞儀みたいなもんかな。やっぱなんか白いの食べさせてる。15分ほど見学し、途中で退出。
ペスト記念柱を見に、グラーベン通りへ。
とても賑やかな通り。その中に、一際目を引くモニュメントが。
これがペスト記念柱か。表情といいボコボコといい、すごく忌々しい感じが伝わってきた。
次はケルントナー通りを散策。
ここも賑やか。お店がいっぱい。キョロキョロしながら歩いているうちに、寄りたかったハイナーというカフェを見逃してしまった。そこで休憩しようと思ったのに。まあいいや、ナッシュマルクトでお昼食べよう。
そんなことを考えながら歩いていると、オペラ座の前に出た。またもや客引き王子様に捕まる。しかもかなりの手練れと見た。学生に見えるから、まけとくよと言われた時はちょっとぐらっときた。でもその後見せられたスマホのムービーで目が覚めた。日本人のカップルがオペラ座の前で、観劇したオペラがいかに良かったかというのを述べているムービー。この王子様が捕まえたお客さんだろう。もちろん詐欺とかではないだろうけど、なんだかちょっと冷めた。ひねくれていることは自覚している。またもや考えとくと言って逃げる。
ナッシュマルクトへ向かう途中、分離派外観を見かけたのでパシャリ。
そこを過ぎるとすぐにナッシュマルクト(屋外市場)に着いた。
なんじゃこりゃ。人でごった返している。
お店が所狭しと並んでいる。地元民もいるし、観光客もいるようだ。とりあえず歩く。あまりの人口密度に、思わずカバンを前に抱える。
レストラン、食品、雑貨でエリア別に分かれているようだ。どこのエリアも活気がある。レストランのある一帯では、人々がテラス席でひと休み。食品市場には色とりどりの野菜や果物が並んでいる。雑貨のエリアは蚤の市のような雰囲気。食器や衣料品、骨董品など、ジャンルも様々。ぶらぶら歩いていると、流しの音楽隊とすれ違ったりする。
欲しいものは特に無いけど、見ているだけで面白い。
でも1時間ほど歩いていると、流石に疲れてくる。お昼食べよう。入りやすそうなオーストリア料理っぽいところを探す。アジアンなお店もたくさんあって、ぜってー入んねぇ!と思いながらお店を物色。
14時前、とあるお店に入り、ウィーン名物というシュニッツェルとレモンアイスティーを注文。
シュニッツェルうまい。なんていうか、トンカツ。そういえば久しぶりに温かいお肉食べた!と思って感動。値段はチップも入れると22€。た、高い。
さて、今日予定していたことを全て終えてしまった。このままホステルに戻るか、どこか散策するか。天気がいいのでこのまま外に居たい気もする。でも無理はしたくない。
そうだ、昨日行ったホーフブルクの王宮庭園でゆっくりしよう!広すぎて昨日行っていない場所もあるし!ということで地下鉄で王宮庭園へ。
昨日とは違う入り口から入ると、昨日とは全然違う公園のように見えた。広すぎ。手頃なベンチに座り、スマホで今日の日記を書く。
何となく視線を感じた。スマホの画面から目を離しふと顔をあげると、4~5mほど離れたところを歩くおじさんと目が合う。
それはもうバッチリ目が合う。なんとなく気まずい。ごまかすつもりで曖昧な笑顔を浮かべて会釈をした。
それがいけなかった。おじさん、
ジャパニーズ?
と言いながら近づいてくる。何????????
い、イエスと答えると、
韓国か中国と迷ったんだけど、当たったね!と言いながら隣に座る。座るんかい。
3か月まえに韓国に行ったんだけどさーと、何やら語り始める。どうしよう…。
(^^)韓国人の女の子はメイクし過ぎだけど、日本人はナチュラルだね。最近アジアの食事にハマってて、パンは食べずにご飯を食べてるんだ。この辺アジア系のスーパーあるんだよ。ヨーロッパではアジアの区別がごっちゃになってて、寿司を中華だと思ってる奴らがほとんど。その度に僕は訂正してる。僕はヘアメイクのようなことをやっていて、マッサージもするんだけど、日本のシアツってすごいね。ウィーン在住の日本のシアツマスターにシアツを習ったんだ。(誰だよ。)あれ気持ちいいね。ヨーロッパのマッサージは、痛いところを強く押すんだ。その時はスッキリするけど、しばらくするとまた痛くなる。でも日本のシアツは、痛いところじゃなくてその周辺のツボを撫でるようにするんだ。こんな感じで。目をつぶってみて。
私の後頭部を指先で撫で回すおじさん。されるがままの私。なんだこれ。でも確かに心地よい。
(^^)どう?どんな感じ?
(´-`)ね、眠い…。
(^^)でしょ?リラックスするでしょ?
なんだこれ。
おじさんはそこから、1時間ほど喋っていた。私は相槌を打ったり、意見を求められたら片言の英語で返したり。7:3でおじさんが喋り倒す。話題を目まぐるしく変えつつ喋り倒す。
(^^)仕事は何?ここからどこ行くの?イタリアは移民が多くて治安が悪いよ!僕地下鉄でサイフすられたよ!電車乗るなら1等車がいいよ安全!アジア人はクラシック好きだよね!ウィーンに来たらだいたいクラシックのコンサート行くしね!僕、日本の音楽好きだよ!あの、弦があって、弓で弾くやつ!(それ二胡じゃね…?)アジア人は働きすぎ!機械じゃないんだから休みな!アジア人って男尊女卑酷くない?知り合いの韓国人夫婦は、奥さんが仕事で遅くなっても、旦那さんはご飯作らないんだよ!バカみたい!僕はフェミニストなんだ。アジア人は髪の毛キレイだよね。ヨーロッパ人は染めるの好きだから髪めっちゃ傷んでる。アジア人は何もしてない人が多いから、髪が綺麗だよ。君も綺麗だね。
私の襟足あたりの毛先をスルスルと触るおじさん。なんだこれ。近い距離が近い。
(^^)日本人はこんなことされたらおかしいと思うだろう?
(´-`)えっと、びっくりすると思う…。
(^^)ヨーロッパ人にとっては、女性を褒めるのはマナーだよ。アジア人は、こういう表現が苦手だろう?どうやって気持ちを伝えるんだ?
そう言って、私の髪を触り続けるるおじさん。 なんだこれ。
(^^)明日は何してるの?
(´-`)ミサに行って、ホステルにいる。雨って聞いたから…。
(^^)雨だって?そんなわけないよ!誰が言ってたの?ここの言葉で、こんなのがあるんだ。ウェザーとマナーは信じるな。ウェザーは変わりやすいんだ。例年は今頃寒いんだけど、今年は暑いね。夏みたいだよ。(そこまでじゃないと思う。)そういえば今日は、夜まで美術館が開いてるんだ。年に一回のイベントさ。君も良かったら行くといいよ!(後で調べたら、orf long night of museumsというものらしい。知らなかった。いいこと聞いた。)僕は毎年行ってたんだけど、今年は友達の結婚パーティーで行けないんだ。明日帰ってくるから、もし良かったら明日の17時にまたここで会わない?
…まぁ断るよね。そしたらおじさん、
(^^)分かったよ。君に会えて良かった。チャオ。
と言い残し、颯爽と去って行った。
なんだったんだ。
美術館についてはいいこと聞いたけど、休むつもりがめっちゃ疲れた。なんか喉痛いし。
時間は18時過ぎ。トラムでホステルへ帰る。
美術館の件、どうしようかな。疲れたけど、せっかくなので行ってみたい。一旦シャワー浴びてから決めよう。シャワー浴びてベットに寝転ぶ。
よしやめよう!!!!そのまま寝た。
※追記
翌日撮った写真。orf long night of museumsのチケット売り場。こんな感じで売ってたようです。機会がありましたらぜひ。
おじさんとの交流を書いたらいつもより長くなってしまった。最後までお読みいただきありがとうございます。
突然のおじさんイベント、もちろん戸惑いはありましたが、こちらも面白3割の気持ちで話聞いてました。マジでヤバい人だったら話ぶった切ってでもダッシュして逃げてたと思います。そしておじさん、身の引き方が潔くてよかった。
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