◆◇概要◇◆
2018.10.2~2019.1.19のバックパッカー旅行中、日記をほぼ毎日つけていました。
それを加筆修正し、晒して供養しようというものです。
ウィーンから移動し、ザルツブルクへ。モーツァルトの生まれた街としても有名な、音楽の聖地です。旅の1週間ほど前に予習のつもりでサウンドオブミュージックを観たので、日記内ではやたらと映画のことを引き合いに出している。
そしてこの日の日記、長すぎたので前編と後編に分けております…なぜ長くなるかはのちほど…
10/9(火)
5時半に目が覚める。このパターン多いな。早寝落ち早起き。良いんだか悪いんだか。今日の計画立てるのに好都合だけど。
さて今日はザルツブルクだ。ホテルにして良かった、自由が利く。同室の人に遠慮しなくていい。のびのび。下の階のお湯をもらって、この旅で初めて持参した味噌汁を飲む。染みる沁みる滲みる〜〜〜〜〜。計画立てて身支度をしていると、いつの間にか8時に。
レセプションでザルツブルクカードが売っていたので、48時間のものを買う。昨日とは違う受付のお姉さんも優しい〜〜〜。異国の地、少しでも優しくされると非常に心温まる。
最寄りバス停まで歩いて2分ほど。立地が良い。
15分ほど待つとバスが来た。すでに人でいっぱい。観光客もいるけど、通勤の地元人もいるっぽい。前から乗り込む。運転手さんにザルツブルクカードを見せればいいようだ。
バスで10分ほど移動。とりあえずミラベル宮殿近くのカフェで朝ご飯を食べる予定だった。でもいざミラベル宮殿で下車すると、お店の場所が分からない。困った、すぐ着くと思ったのに。他のところにしようかなと思って覗いたカフェが、モーニングセット9€。予算オーバーです。どーしよ、相場ってそんなもん??そう思いながら彷徨っていると、いい感じのパン屋さんを発見。イートインできるみたい。なんだか猛烈にパンが食べたくなって入店。おばさんが英語で接客してくれた。サンドイッチを覗いていると、具の説明をしてくれた。ここでも店員さん優しい。生ハムとチーズのサンドイッチ、アメリカンコーヒーを注文。
おいしい〜。1日ぶりのまともな食事。めっちゃ生ハム入ってるし。これとコーヒーで6€しなかった。満足度高い。
お店には、ひっきりなしにお客さんがやって来る。時計を見ると9時前。ちょうど通勤時間なのだろう。えらく賑わってるお店だな。老若男女が入っては出てを繰り返し、波が落ち着いた頃に完食。レッカー、ダンケと言ってお店を去る。いやー充電完了って感じ。エネルギー補給された体に、元気がみなぎる。
まずはホーエンザルツブルク城を目指す。迷いつつマップを見つつ、とりあえずお城に向かえば良いと信じて歩く。
路面電車とバスを足して2で割ったような乗り物が街を走っている。何だあれ。
※トロリーバスという乗り物でした。電気で動く。
街並みが可愛らしい。おしゃれな外観のお店が多くてときめく。
レジデンツ広場、カピテル広場を抜け、ケーブルカー乗り場へ。ザルツブルクカードで1回乗車可能。すぐに上に着く。
降り場から少し歩くと、ザルツブルクの街が一望できた。きれい〜〜〜。川と緑と教会と街が、完璧なまでにバランス良く位置している。
さらに階段で上に登ると、すぐに城内ツアーAコース入り口が目に入った。チケットどこで買うんだろう。とりあえず列に並ぶ。待ち時間が表示されてあって、あと10分ほどで始まるようだった。チケットは?ねぇチケットは?ドキドキしながら待ってると、ツアーが始まる。入り口カウンターでオーディオガイドを受け取る。受付のお兄さんにランゲージは?と聞かれたのでジャパニーズと答えると、アリガト☆と言われた。ちょっとびっくり。そして嬉しい。結局チケット代払わなかったな。後で気づいたが、例のザルツブルクカードでケーブルカーに乗ってきた時点で、チケット代は免除のようだ。何故ならザルツブルクカードを持っているだけでほとんど全ての美術館代がタダになるから。すごいぜザルツブルクカード。
塩の貯蔵庫だった部屋、拷問部屋、展望台、ザルツブルクの雄牛と呼ばれるホルンを見た。
貯蔵庫では、ホーエンザルツブルク城の代々司教と城の成り立ちが紹介されていた。以下、オーディオガイドの情報。レオンハルト大司教は素行の悪い少年で、悪さをすると父親にカブを投げつけられていた。そこから、レオンハルトは自分の紋章をカブのマークにしたらしい。どんな発想!?てかどんなしつけ!?!?父親、自分の領土でカブを育ててたんだって。だからカブがいっぱいあったんだって。だからって。父親、カブ箱を身近に置いていたに違いない。投げる用に。そんで城の周りにもカブのマークの紋章がたくさんあるから探してみてね、だって。探すよね。実際あったしね。
※こちら城周辺で見つけたカブの紋章。思った以上にかわいい。そして見つけるとテンション上がる。隠れミッキーと同じ原理。
拷問部屋、実際にここで拷問された人はいないんだって。囚人を捕らえていたそうな。拷問器具は他のどこかで使われていたみたい。
ちなみに車輪みたいなやつは、囚人の上に落として、骨を折るために使われてたって。非人道的。拷問にはうってつけ。
展望台では、城の一番高いところから360度街を見渡せた。これだけでも来た甲斐がある。
ザルツブルクの雄牛という名のホルン。これがホルン??って感じ。私の知ってる、音楽の教科書に載ってるカタツムリみたいなホルンじゃない。めっちゃでかいオルゴールとオルガン足したみたいな。この大きさ、町中に音が響きそう。
ツアーは30分ほどで終了。終わった後に城の周りの地図もらいに再度ツアー入り口に行ったら、めっちゃ並んでた。午前中に行っといて良かった。
城の回りををぶらぶら散策。城塞らしい強固な石造りで、今まで見てきたハプスブルク家の豪奢な宮殿に比べると非常にシンプル。飾りつけようという意図が全く見られない。無骨。でもそれもいいね。塩ラーメン。
また、不意に現れる展望台からの景色に目を奪われる。いいわぁ。
展望台にいるときに、ちょうど正午になる。街中の教会の鐘が鳴り響いた。バラバラのリズム、それぞれ個性のある音色だが、不思議と不協和音には感じない。むしろ感動した。しばらく鐘の音を聴いていた。
ホーエンザルツブルク城では他に、要塞博物館とマリオネットミュージアムを覗いた。
徒歩で街に帰る。坂道、めっちゃ急勾配。しかも地面が砂だから、滑りそうったらありゃしない。でも風景がいい。
少しずつ小さくなっていく城を、下から眺めるのもまたあはれなり。
途中、ノンベルク修道院へ寄る。サウンドオブミュージックのマリア先生の修道院だ。
映画と比べつつ写真を撮る。ほぼそのままで感動。
中に入る。映画では内部はセットを使っていたそう。だから映画とは違うんだけど、いい教会だった。前方には観音開きのアレと、ステンドグラス。尖塔アーチにリブウォールト。ゴシック様式かな。写真を撮りたかったけど、1人の修道女の方が一心に祈りを捧げていた。シャッター音を鳴らして邪魔するのも悪いな、と思い、目に焼き付けておくことに。
教会の周りは、お墓だったと思う。綺麗に手入れされたお花が印象的。
街に着く。13時。お腹空いたな。どっかでパンでも買おうかな。でもとりあえずメンヒスベルクの丘へ向かう。なぜなら丘へとつながるエレベーターがタダだから。もちろんザルツブルクカードで。どんだけお得。あと、サウンドオブミュージックのドレミ階段があると聞いて。ネットで調べると、現代美術館の中にエレベーターがあるらしい。どこだろう、とりあえず城の左側にあるらしいので適当に歩く。
途中でサウンドオブミュージックに出てた橋らしきものに立ち寄る。映画とはちょっと橋の色が違うけど、ほぼそのまま!いいね!!狭い感じがまた良い。
観光客はあまりいなく、地元民の利用が多い感じがした。
また、通りかかったレジデンツ広場は、マリア先生がのしのし通った噴水広場。記念にパシャリ。
子供が遊んでて可愛かった。さらさら金髪。実写版天使。
賑やかな目抜き通りを抜けたところで、山肌に沿って上へと伸びる、いかにもエレベーターなものが見えた。目指して歩く。
すると、現代美術館が見えた。勘が当たって嬉しい。場所を確認してから、パン屋さんへお昼を買いに行く。メンヒスベルクの丘へ上がってから食べよう。美術館近くのパン屋さんに入って、甘そうな謎のパンを買う。ダスビッテ(これください)、伝わって嬉しい。店員のおばさんも褒めてくれた。優しい。ご機嫌で現代美術館に戻る。入り口には受付とゲートが。え、入っていいの?少しためらう。受付のおじさんに聞くと、ゲートを通って、とあっさり。ゲートを通ると、壁と同化するように3基のエレベーターが。なるほどこりゃ気づかん。
3分ほど待つとエレベーターが来るが、下表示。え、これ下行くの?そのエレベーターに先に乗り込んだお兄さんに、下?という感じで指で指して聞くと、上を指してアップと答えてくれた。ありがてぇ。乗り込む。1分ほどで丘の上へ。お兄さんが先に降りるのを譲ってくれた。あー優しい好き。イケメン。ダンケ。
メンヒスベルクの丘、いい眺め。お城とはまた違う角度から街を望む。お城が見えるのがいいね。
ドレミ階段らしきものもあったが、残念ながら工事中。でも似たような景色が見られて良かった。
メンヒスベルクの丘をうろうろして、人気のない眺めのいいベンチにたどり着く。先ほど買ったパンを食べる。さいこお〜。元気出る。食べつつ午後の計画。散策しながらこの丘を下り、大聖堂と聖ペーター教会へ行こう。
この丘、どこから降りたらいいか分からない。とりあえず下へ下へ向かう。めっちゃ遠回りしてる気がする。景色はいいけど。
やっと麓についたところで、例のトラム風バスに乗り込む。街の中心で降り、大聖堂へ。
美しい。バロックではない。ゴシックではない。ロマネスクっぽくもない。何だ?後で調べたら、ロマネスク様式だった。
ロマネスクっぽくないなと思ったのは、高さのある建物で、柱の彫りが見事だったから。ロマネスクのシンプルなイメージとはかけ離れている。それくらい豪華で美しく、繊細な彫り。花のような葉のような。しばらくボーッと眺める。
この均整の取れ具合が、神秘的な雰囲気を出しているんだろうな。ひれ伏したくなるような、すがりたくなるような。不揃いより、美しい方が圧倒的に祈り捧げる気になるもんな。
教会内をうろうろしていると、地下に続く階段が。入っていいのかためらっていると、近くにいたおじさんが入っていいんだよ、と声を掛けてくれた。おお、優しい。ダンケ。地下はカタコンベのようだった。なぜかおじさんが一緒に回って説明してくれる。優しい。ちょっと薄暗い不気味な所に入り、ちょっと怖いと言うと、おじさんが手を繋いでくれた。優しい。教会出口へ並んで歩きながら、少し世間話。名前はカールさん(仮名)、ドイツから来た。先生をやっているらしい。2週間のバカンス中で、ザルツブルクに立ち寄ったとのこと。40代後半。身長は180くらいありそう。体格が良い。
さて次はどこ行く?と自然に切り出すカールさん。え、一緒に行動すんの?でもいい人そう。笑顔が素敵。ドイツ語も翻訳してくれるし。街を散策しようということで、おじさんの案内で街をテクテク歩く。途中、モーツァルトの生家行く?と聞かれ、行かないと言うと、じゃあ別の所に行こう!と案内される。いつの間にか腕を掴まれて、半ば連行といった雰囲気。なにこれ、大丈夫なやつ?ちょっと不安になる。
※追記
カールさん編、長くなっちゃったので次の記事になります…。
次回、旅レポというよりはおじさんとの攻防戦レポとなりますのでなにとぞ…なにとぞ…
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