◆◇概要◇◆
2018.10.2~2019.1.19のバックパッカー旅行中、日記をほぼ毎日つけていました。
それを加筆修正し、晒して供養しようというものです。
高潮(アクア・アルタ)襲来の翌日。前日まで絶望的なほど冠水していた街は、なんと翌朝にはすっかり元通りに。恐るべしヴェネツィア。
前日のアクア・アルタの様子はこちら。↓↓↓
さて、ヴェネツィア滞在初日となるこの日は本島の各名所へ。
街の中心であるサン・マルコ広場に始まり、ドゥカーレ宮殿、リアルト橋、サン・マルコ寺院をはじめとする教会めぐり、路地散策など…。
見どころの多いヴェネツィアの中でも多くの人が訪れるであろう王道コースを満喫し、「あ〜〜〜わたし今ヴェネツィアにいるんだわ〜〜〜😇」というウキウキ気分をギャンギャンに高めました。
10/30(火)雨のち晴れのちくもり
6:45起床。真っ先に窓の外を見る。
下を確認すると、なんと水が引いている。
おお。昨日はあんなに街中水浸しだったのに。すげーなヴェネツィア。
曇り空だが、ところどころ晴れ間も見えていた。
支度をして7:20出発。まずは街の中心サン・マルコ広場へ向かう。
すごい、どこを歩いても見事に水が無い。
昨日まで街を飲み込もうとしていた運河の水は、今はあるべき場所にすっかり収まっていた。感動。というか衝撃に近い。
昨日の時点では、もしかしたら滞在中は観光できないかもな~なんて考えていたけど、完全に杞憂だったようだ。
雨も止んだし。ウキウキで歩く。
朝早かったため、街を行くのは地元の人ばかりだった。みんな地図も見ずにズンズン進む。よくこの複雑な道が分かるな…。グーグルマップ無かったら死んでるよ私。
昨日冠水してしまったお店の人たちがせっせと店内外の掃除をしていた。お疲れ様です。てか今日営業する気ですか。店内もびしょ濡れでしょうに。すげーなヴェネツィア。
朝ごはん食べたいなーなんて考えながら歩いていると、美味しそうなサンドイッチ屋さんを見かけた。でもとりあえずスルー。
何はともあれサン・マルコ広場へ向かう。もしかしたら水がまだ引いていなくて観光できないかもだし、確認してから朝ごはんにしよう。
そして7:50頃、サン・マルコ広場着。
うん、大丈夫だわ。無事に観光できそう。すげーなヴェネツィア。
3年ぶりのサン・マルコ広場は、あのときの記憶のままのカッコよさ。サン・マルコ寺院と鐘楼の存在感。しびれる。
朝日が雲の間からいい感じに射していて、ありがたみが増す。タイミング良く虹も出ていた。
観光客はまだ少なめなんだと思うけど、それでもやっぱり人出は十分多い。これからどんどん増えるんだろうな。さすが世界屈指の観光地。
聞こえてくる言語もさまざまだった。もちろん日本語もちらほら。
とりあえず一番開館が早いドゥカーレ宮殿から行くことにする。
8:30開館で、今が8時。入り口の位置を確認してから、さっき気になっていたサンドイッチ屋さんに戻る。
が、場所がわからん。私が方向音痴ってのもあるけど。ヴェネツィアあるある、目的地にたどり着けない。
近辺をさまよい、何とかしてたどり着く。卵とハムとサラミの入ったサンドイッチ、2€。持ち帰りにした。
ドゥカーレ宮殿に戻る。入り口前に5mほど列ができていたので私も最後尾についた。サンドイッチを食べながら開館を待つ。
列は次第に長くなり、ついには最後尾が見えないほどに。ひえー、早めに並んどいて良かった。
それにしても8:30過ぎてるんだけど、開館しない。何だ何だ。待ってる間に雨も降ってきた。さぶ。
スタッフの人たちがなんだかバタバタと準備をしている。恐らく昨日の冠水の後片付けに追われ、開館が間に合わなかったのだろう。
後ろに並んでいた日本人の中年夫婦がイライラしていた。
とっくに時間過ぎてんのに説明もないわけ?信じらんない、こんだけ人を待たせといて知らん顔だよ。昨日そっちが次の日の8:30に来てくださいって言ったんじゃん。昨日みたいに今日も開館出来ませんっていうんじゃないだろうな。
とか何とか日本語でぼやいている(ここでは省略するけど、罵倒の言葉も)。いやーうるせぇな。そんなに愚痴られるとこっちの気分が良くない。
話から察するに、もともと昨日予約していたが、例の冠水で宮殿が開いておらず、今日来てくださいと言われたようだった。
確かに色々不運が重なり、向こうの不手際にもイライラしてるんだろう。無職の私と違って限られた時間での旅行だろうし、予定通りに行かない腹立たしさは理解できる。
それにしても、誰がどこで聞いてるかわかんないんだから、そういう文句を大っぴらに言うのはやめて欲しいなあ。楽しみにしてるこっちの気が滅入っちゃうよ。日本語が分かる外国人も近くにいるかもしれないし。気分が悪いが、これを反面教師とするしかない。
そんなこんなで9時過ぎに開館。荷物検査を受け、チケットを買う。売り場のおばちゃんこえー。というか、スタッフ側もイライラしてんのかもな。入場料20€。
内部はというと、めっちゃ豪華。なんか、360度迫力ある。圧がすごい。
ヴェネツィア共和国の政治を執り行う場であったというこの宮殿。
正直内部の理解はあまり出来なかった。日本語オーディオガイド無かったんだよね。あって欲しいな。
中庭からはサン・マルコ寺院の屋根も見えた。
正面からは見えない部分、こうなってんだ。ドーム多いな。
宮殿内を通り、溜息の橋を渡る。
地下牢獄へと続く溜息の橋。昔の囚人は、ここから見る景色が最後のヴェネツィアの風景だったらしい。囚人たちはこの橋を渡りながら溜息をつく、という逸話からその名がついたそうだ。
窓から見える風景は、確かにヴェネツィアらしい素敵な景色。
こんなに美しい街にいながら、薄暗くて冷たい牢獄で過ごす。そんな状況を思うと、溜息どころか気が狂いそうになる。
宮殿の外から見た溜息の橋。一見素敵な橋だが、この白い壁全体に囚人たちの溜息が染み込んでいるに違いない。
さて、宮殿見学を終えて11時頃。混む前にお昼ご飯にする。
その辺のカフェへ。ペスカトーレ、イカのフライ、サラダのセットとオレンジジュースを注文。22€。
店員のお兄さんは最初はちょっと塩対応だったけど、だんだん気さくになっていって、最終的にめちゃめちゃイタリア人になっててうけた。アモーレアモーレ連発。サービス精神旺盛かよ。
どこから来たの?日本から。オー、アイラブジャパニーズ!日本人は礼儀正しいし笑顔だからね。ありがとう、嬉しい。そんな話をした。
そこで思い当たった。ドゥカーレ宮殿でイライラしてた日本人夫婦、日本的な礼儀正しさや、日本で当たり前とされている対応を求めていたのかもな。
時間通りに開館して欲しい、遅れてるならその理由をちゃんと説明して詫びのひとつでも入れて欲しい、それが筋でしょう、私達ならそうする、ってところだろうか。
文化や習慣の違いって難しい。良い風にも悪い風にも捉えられ得る。そして根深い。我々の生まれ育った国では、電車が数分遅れるだけで謝罪のアナウンスが流れるのだ。これを当然と思うかやりすぎと思うか。まあ、郷に入っては郷に従えって言葉が日本にはあってだな。とか考えた。
そんでご飯、めっちゃ美味しい。
ペスカトーレは具だくさん。ムール貝、あさり、イカなど。トマトソースはちょっとクリーミーな気がした。
パスタを完食して5分後、イカのフライとサラダ登場。正直来ないかと思った。お会計するとこだった。
イカのフライサックサク。レモン汁はバシャバシャかけた方が好みだった。満足。いやー美味しかった。ふらっと入ったお店だったけど超当たりだった。
お店から出て街をぶらぶら。
世界中にその名を馳せる観光都市ヴェネツィア、お昼どきの街はどこへ行っても観光客で溢れかえっていた。
鐘楼とサン・マルコ寺院へ行こうとするが、めっちゃ並んでたので夕方に出直すことにした。
リアルト橋へ。以前ヴェネツィアに来た時はたどり着けなかったのでリベンジ。
グーグルマップ様のおかげであっさり到達。
橋からの眺めが素敵。ヴェネツィアの代表的な景色のひとつです!という感じ。
運河と街並みとゴンドラ。
そして有名スポットなだけあって、橋の欄干沿いは常に観光客でいっぱい。場所取りに苦労する。空いた瞬間に他の人が滑り込むような状況。写真を撮って早めに退散。
再びうろうろ。コンタリーニ・デル・ポーヴォロ階段に行くが、昨日の冠水の影響で閉まっていた。また別の日に行こう。
スーパーに寄って夜ご飯を調達してから、一旦ホステルに帰ることにする。
スーパーでラザニア、生ハム、粉チーズ、サラダミックス、りんごを購入。ラザニアは量り売りのところで買った。スーパーの一角に、日本で言うデパ地下のお惣菜屋さんみたいなコーナーがあり、せっかくなら試してみたかったので。以下、売り場のお姉さんとのやりとり。
(°▽°)すみません、どうやって買うんですか?
(^_^)えーと、どれが欲しいの?
(°▽°)このラザニア下さい、1パック。
(^_^)私が切るから、どのくらい欲しいか言って。…このくらいでいい?
お姉さんはそう言うと、ヘラみたいなのでラザニアをいい感じに切り分け、パックに包んで渡してくれた。なるほどこんな感じか。またやろ。
ホステルに帰って14時過ぎ。休憩しつつコーヒー飲みつつミラノのホステル予約。
15時頃再び出発。散策も兼ねてサン・マルコ広場へゆっくり向かう。
どの路地も絵になりすぎて困る。寄り道が捗る。
グーグルマップ見ずに広場へ行くぞ!と思ってやってみたけどすぐに断念した。
複雑に入り組んだ街を地図も見ずに進むのは、素人にはやはり無謀だった。
15:30頃のサン・マルコ寺院、列は並んでいたけど、昼ほどじゃ無かったので並んでみた。思ったよりサクサク進む。
外観に見惚れているうちに、5分ほどで中へ。
偶然私の真後ろに日本人ツアーの方々が並んでおり、ガイドさんの話が盗み聞きできた。
曰く、この寺院に祀られている聖マルコはキリストと同じくらいの年代の人。聖マルコの遺体がエジプトから運ばれ、ここに眠っているとのこと。当時のエジプトはイスラム化していたので、キリスト教の聖人がエジプトにいるのはまずいってことで運ばれた。というか盗んできた。現在の寺院は約900年前に建てられた。レンガ造りで、内部は天井も床もモザイク。ヴェネツィアがいかに力を持った都市だったかが分かる。
とかなんとか。プロの解説ありがたし。確かに細やかなモザイクが。床の大理石のモザイクも美しいけど、天井が黄金色のモザイクってのが何とも圧倒される。
途中でツアーと別れてパラ・ドーロへ。ツアーは説明してくれるのが嬉しいけど、個人だと好きなところに好きなだけいられるのが魅力だよね。パラ・ドーロ、綺麗だった。宝石が散りばめられていて、これ総額いくらだろうとか庶民的なことを考えた。
そういえば外には長い列ができているけど、建物内部は人でギュウギュウってわけじゃないし、みんなサクサク進んでる感じだった。
16時過ぎ、ヴァポレット(フェリー)に乗って対岸へ行き、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会へ向かう。
ヴァポレットの待合室は、水上に小部屋が浮かんでいるような感じ。波の影響を受けまくって、待合室全体がめちゃめちゃ揺れている。酔うか心配だったけど案外平気だった。
数分でヴァポレットが来る。昨日は一時間以上待っても来なかったけど、今日は無事に乗り込む。
水上から見るヴェネツィアも良き。
時間はちょうど夕暮れ時。オレンジ色の空に暗く重たい雲も出てきていたが、むしろいい味を出していた。息をのむほど美しい。
すぐに対岸に到着。
船着場の目の前には、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会が。
入ると、パイプオルガンが鳴っていた。ちょうどミサ中だったんだと思う。
中は今まで訪れた教会にない特殊な構造。クーポラの円沿いを通路としており、クーポラの真下は立ち入り禁止になっていた。
中心部を避け、円を描くように教会を回るスタイル。新鮮。
前方の祭壇ではミサが。思わずパイプオルガンの音に耳を傾ける。
バロック様式とのことだけど、そんなに派手さは感じない。円蓋なんてとてもシンプルだった。
17時頃、外に出ると、空が暗くなり始めていた。遠くの方に夕焼けが見えた。
そのまま海沿いを散策。島の先端も行く。数名の人がいた。
やっぱみんな来たいよねここ〜。
対岸のサン・マルコ広場側が見えた。
こちらから見る鐘楼やサン・マルコ寺院も絵になる。なんだこれ美しい。
改めてヴェネツィアという街の美しさを全身に浴びる。
歩いていて楽しい。ウキウキで散策しつつホステルへ戻る。
周りは夜景になり始めた。
アカデミア橋からは、街灯に照らされた街並みと運河、そしてサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会が。とても幻想的。
そのままホステルに帰って18時。シャワー浴びてご飯食べて日記書いて23時就寝。
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